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キム・ヨナ選手の得点について語るときに心がけたい。
先に言っておくと私は、浅田真央選手の大ファンです。
他にもアリッサ・シズニー選手、キャロライン・ザン選手、アシュリー・ワグナー選手、テッサ・ヴァーチュー&スコット・モイア組、メリル・デイヴィス&チャーリー・ホワイト組、ナタリー・ペシャラ&ファビアン・ブルザ組、ケア兄弟、川口悠子&アレクサンドル・スミルノフ、アリオナ・サフチェンコ&ロビン・ソルコヴィー組、ジェシカ・デュベ&ブライス・デービソン組、高橋大輔選手、ジェレミー・アボット選手、ブライアン・ジュベール選手、ステファン・ランビエール選手、デニス・テン選手、フローラン・アモディオ選手…
挙げればきりがないほど好きな選手はたくさんいます。

ただ、どうしても心情的に入れ込んでしまうのは浅田真央選手です。やはりメディアで接触する回数が圧倒的に多いのも影響してるかもしれません。

だから今回も、彼女の願いが叶うことを祈っていたし、今は悔しい気持ちでいっぱいです。昨日も1日中、あのキム・ヨナ選手の点数に本当に思惑が絡んでいないのか、この4年間のルール改正はこの日のためだったんじゃないか…と疑念が次々と浮かんできてやりきれない気持ちです。


ただ、キム・ヨナ選手に対して「ジュニアレベルの構成だ」とか、「誰でも出来る簡単なことをやっているだけ」と言った意見を見ると余計に心が痛みます。それを浅田真央選手を応援していた人が言っているのを見るのは苦痛でなりません。


本当に浅田選手が好きなら、彼女のすごいところだけでなく、足りないところも認めないといけないと思います。


確かにジュニアでも3回転+3回転を跳ぶ選手はいますが、キム選手のようにフリーに2回入れてこれる選手はそういません。まして19歳という、女子選手では体型変化に苦しんでいておかしくない年齢で、あのすらりと背の高い体であの確率で降りられるのは相当なことです。

キム・ヨナ選手がダブルアクセルを3回跳ぶのは、セカンドに3回転を2回入れているためです。本来は1つループに変えるのが理想的なのですが、ループの成功率が低いために回避してダブルアクセルにしているのです。

苦手なジャンプの回避は浅田選手のほうが残念ながら顕著です。他の多くの選手が跳んでくるルッツとサルコーを回避しているからです。特にルッツは上位選手はほぼ全員正しいエッジで入れてくるのですが(正しいルッツが跳べないと上位に来られなくなったのも事実ですが)、ご存知のとおり浅田選手はエッジエラーで減点される等の理由で回避しています。言ってみれば、ルッツを回避して、代わりにトリプルアクセルを入れている。トリプルアクセルが苦手なために回避して、4回転を2回入れるランビエール選手と言わば同じ戦略です。したがって、浅田選手のフリーのジャンプ構成は、アクセルが3つ(最後にダブルアクセルを跳ぶため)、フリップが2つ、ループが1つ、トゥループが1つ。4種類のジャンプしか入れていません。キム・ヨナ選手は5種類。6種類入れているのがロシェット選手。ジャンプの種類は多いほうが理想的ですので、直接点数には反映されませんが、浅田選手の構成がかなり歪なのは確かです。


「キム選手はジュニア時代から全く構成を変えていないが、浅田選手は毎年より難しいことに挑戦している。」という意見もありますが、これをトリプルアクセルをショートに入れていることや、フリーで2回挑戦していることが、「さらに上を目指すため」だけにやっている」というのは違うのではないでしょうか。また、タラソワの戦略ミスで、大技が評価されない流れを鑑みずに無謀なプログラムを作ったというのも間違いだと思います。
理由はどちらも同じ。

ショートにトリプルアクセルを入れているのは、3回転フリップ+3回転ループの成功率が落ちてしまったため。東京での世界選手権を機に、ショートで失敗することが多くなっていました。回転不足判定の厳格化で奪われた面もあると思いますが、そもそも降りられる確率も低くなってきていた。そしてルッツのエッジエラー。修正せずに臨んだ07年のグランプリシリーズでは、減点でも3回転を回って降りていましたが、修正してきた次の年からは2回転になってしまうこともしばしば。つまりショートに3つしかないジャンプの2つが不安要素だったのです。磐石だったのはダブルアクセルのみ。。これではただでさえ苦手意識の強いショートで負担が大きすぎます。

その代わり、08年−09年はトリプルアクセルが決まるようになってきた。挑む回数が増えたことにもよりますが、フリーで少なくとも1回は降りるようになった。3回転フリップ+3回転ループより基礎点は減りますが、こちらのほうが成功率が高いと踏んでショートに入れてきたのだと思います。そうすれば、苦手なルッツをショートで跳ぶ必要がなくなる。

フリーで2回入れてきたのは、08年−09年は、おそらくルッツを抜くため。当初は3回転フリップ+3回転ループも組み込むつもりでいたようですが、さすがに体力的に厳しく3回転フリップ+2回転ループにとどめることに。するとサルコーをループに変えることができるため、今年はその構成でした。

つまり、浅田選手がトリプルアクセルに3回挑むようになったのは、苦手なジャンプを抜き、かつ基礎点を大幅に下げないジャンプ構成にするためだったと言えると思います。ショートはどうせ基礎点の差がつくなら3回転フリップ+3回転トゥループと3回転ループのほうが安全なように思うのですが、おそらくキム・ヨナ選手の代名詞だったコンビネーションジャンプでは勝負できないと踏んだのではないでしょうか。

だからといって、そこでトリプルアクセルを入れてしかもやりきってしまうのが彼女のすごいところです。得意のジャンプコンビネーションが入れられなくなったからといって、トリプルアクセルを入れてしまう選手なんて後にも先にもいないと思います。もしループへの回転不足の厳格化や、ルッツ・フリップのエッジエラー判定が彼女を包囲するためのルール改正だったとするなら、ISUは度肝を抜かれ青ざめたことと思います。

確かにものすごいことです。もう今後数年、数十年、そんな女子選手は現れないと思います。私も、トリプルアクセル+ダブルトゥがトリプルルッツ+トリプルトゥループより点数が低いなんて理不尽だと思います。

でも、ジャッジからしたら、やはり苦手なジャンプを逃げているという印象は強かったのではないかと思います。ランビエールを見て、いくら苦手だからってトリプルアクセル無しは…と思いますよね?4回転や女子の3回転半はそれを補ってあまりある超人的な技だと私は思いますが。でも6種類のジャンプを4種類しか跳んでいないという事実が与える影響はファンが思うより大きいと思います。ダブルアクセルの質がよかったら2点も加点されて、トリプルアクセルの質がほんのちょっと低かったら加点が0.5ってどういうことだよと私も思います。ただ、トリプルアクセルが過少評価される理由は、一応あるにはあるのです。ジャッジに突っ込みどころを与えてしまっています。

じゃぁルッツもサルコーも入れたらキム選手に勝てたのかと言われると、そうではなかったと思います。ショートプログラムの採点からして、どう考えてもキム選手に勝たせようとしていることは明らかだったと、いくら押さえ込もうとしてもその気持ちが拭えません。。でも、浅田選手が誰よりも難しいジャンプ構成だと断言するのも了見が狭いのではと思います。一番の大技は誰にも真似できないものです。実質それで、もうこれ以上3回転ジャンプを入れる場所はセカンド以外ないジャンプ構成なのだから、最大限だと言っていいとは思います。でも、ルッツ、サルコーを入れた5種類のトリプルを跳ぶロシェット選手のジャンプ構成は浅田選手にはきっと出来ません。

キム選手と同じ構成もたぶん難しい。がんばってもう一度ルッツを入れられるようになっても、多くて1回だと思います。
キム選手のジャンプ構成は
 3Lz+3T 10.0
  3F 5.5
  2A+2T+2Lo  6.3
  2A+3T 8.25
  3S 4.95
  3Lz 6.6
  2A 3.85
ジャンプの基礎点の合計45.45


浅田選手も、
 3F+3Lo 10.5
  3F+3T 9.5
  2A+2Lo+2Lo 6.5
  3S 4.95
  3Lz 6.6
  3Lo 5.5
  2A 3.85
ジャンプの基礎点の合計47.4

とかだったらできたかもしれない。
全て実戦で成功したことのある技です。トリプルアクセル無しでも十分戦える。でもこれだと、不安なジャンプが多すぎる。今年の構成なら冒頭の2回のジャンプを決めればあとは体力さえもてば心配ないけど、この構成だと3F+3Lo、3F+3T、3S、3Lzと半分以上不安定要素になる。ただでさえ転ぶことが少なくGOE加点の多いキム選手に、それでは勝てない。増して似たようなジャンプ構成で挑んだら余計に比較されて(おそらく)不利になる。3Lzを2Aに変えることもできるけど、基礎点の時点でキム選手に負けてしまう。


キム選手に勝つためには、彼女とは全く違う方法で、「真央のほうが全然すごい」とジャッジに思わせなくてはいけない。トリプルアクセル2回は、それさえ決めれば上記のプログラムの不安定要素3F+3Lo、3F+3T、3S、3Lzを全て回避できる飛び道具。そしてノーミスの演技をできる可能性もそのほうが高いとふんだ。なぜなら、トリプルアクセルさえ重点的に練習して安定させれば理屈的には全てうまくいくはずだから。そのための、男子にも難しい(ランビエールには確実にできない)トリプルアクセル2回だったんだと思います。

因みに浅田選手が世界選手権で優勝したときのフリーのジャンプ構成はこちらです。
 3A 7.5  ←当時の基礎点
  3F+3T 9.5
 3Lz 6.0
 3Lo 5.5
 3F+3Lo 11.55
  2A+2Lo+2Lo 7.15
  2A 3.85
基礎点の合計51.05。

超人的でした。2回の連続3回転に、トリプルアクセル。何もそこまでしなくてもというぐらいの異次元のジャンプ構成です。この頃からキム選手には、この基礎点の5点ものアドバンテージをひっくり返すような加点がついていた(07年GPファイナル)ので、この時点で「浅田選手のほうが圧倒的に難しいことをやっているのに、評価されていない」は筋がとおっていたかもしれません。ただ、ルール改正により(理不尽ですが、ルールはルールです)、浅田選手はジャンプを4種類に絞り、さらにキム選手と2点しか違わないジャンプの基礎点にせざるを得なくなってしまっていた。それも、「ルッツが入れられない代わりにトリプルアクセルを入れる」という構成で。

今の採点方法や自身へのジャッジの評価を受け止めて、こうするしかないと判断した上でのプログラム構成でした。歪であるのを承知の上で。体力的に厳しいのも、痛いほどわかっていた上で。

だからタラソワが完成度重視の流れを無視したとか、理想を追求しすぎたという批判を見ると泣きたくなります。タラソワが何年コーチをやっていると思いますか。4種類という偏ったジャンプ構成が必ずしも賞賛されたものでないことはわかっていたはずです。でも「勝つ」ためにこれしかない−その上での選択だったと思います。プログラムが難しすぎるといいますが、ただでさえ質のいいジャンプで加点をもらい演技構成点も高いキム選手に、どうしてもジャンプ着氷後の流れや飛距離などではやや劣る浅田選手は(着氷後の流れはともかく、飛距離だけを評価しまくるのはどうかと思いますが)、プログラムの内容を濃くしてPCSを下げられる隙を作らないようにするしかありません。モロゾフのようなつなぎの薄いプログラムで滑っていたら、ここぞとばかりにPCSを下げられてますます差が着きます。



なぜこんなにも浅田選手が好きなのにこんなことを書くかというと、上記のことを鑑みずにキム選手のことを「ジュニアレベルだ」「すかすかだ」、審判のことを「買収されている」「陰謀だ」、タラソワのことを「新採点を理解していない」「理想が高くて勝ちにこだわらない」となどどいって、そしてそれを浅田選手を擁護する理由にしている人をあまりにも多く見かけるからです。




浅田選手のほうが素晴らしいと思ったのなら、まず浅田選手のどこが素晴らしかったのか、その声を本人に届けることのほうが大事だと思います。「キム選手は○○だったのに」は悔しい自分の気持ちを吐き出すための自己満足でしかないと思います。浅田選手のファンが、間違った理由でキム選手を批判したら、浅田選手の素晴らしさに傷がつきます。私もさんざん思い込みや個人的感情からキム選手をけなしてしまったので、自分の反省の気持ちもこめています。




確かに今回の採点は、浅田選手だけでなく、2位以下の選手全てをコケにしたと言ってもいいような点のつけ方だったとは思います。PBを出して喜んでいた選手が、見ていてかわいそうになるぐらいインフレしていました。そして全員がキム選手に比べて30点低いといわれたことも、いくら重要なのは順位だとはいえ、ジャッジはキム選手さえよければいいのかと思うには十分な採点でした。そして序盤からあの勢いで加点をつけていたら後半ジャンプを2回ぐらい転んでも痛くもかゆくも無かったでしょう。恣意的にやったと思うなというほうが無理だと思えるような採点でした。


だからといって、ただ「点数が高すぎる」という結果だけを論拠に、しかも「ジュニアレベルなのに」とどこかから借りてきたような言葉を皆で連呼してキム選手を批判するのは正しくないし、何より浅田選手の成績に傷がつくのではないでしょうか。



採点はこのままではまずい。GOEとPCSに暗黙の了解であった上限がなくなり、つけようとすればらいくらでもつけられるようになった。重要なのは順位とはいえ、GOEにそんなことを出来る余地があるのは絶対に問題だし、改善しなきゃいけない。でもそれはしかるべき相手に、付け入る隙のない論理で間違いを指摘して動いてもらわなければいけない。私にはとてもそんな能力は現状ないです。でもフィギュアスケートのファンとして何かしなくてはと思っています。

今回はキム選手が素晴らしい演技をして文句無しの金メダルだったため、結果的には問題にならなかった。でもキム選手にあれほどの加点をつけたらジャンプを転んでも確実に勝っていた。「ジャンプを転んでも加点で勝たせよう」としているのは明らかでした。もし浅田真央選手やロシェット選手がノーミスで滑ってもあの点数は出なかったでしょう。ショートがそれを証明しています。現にそうなっていたら、男子同様に騒ぎになったはず(というかなってくれないと困る)

ジャンプの回転不足認定について中間点を設けるという報道がありましたが、もはやダウングレードなんてカモフラージュであることは明らかになりました。今回キム選手と他の選手にあそこまでの点差がついたのは、何よりGOEの加点のせいです。他の選手がジャンプでダウングレードされたからではありません。GOEで17点以上も加点されたのです。今回はこの2年はなんだったんだと思うぐらい回転不足認定が甘く、取られた選手は少なかった。回転不足ルールの見直しでジャッジが公正客観的になるなんてありえない。一人だけ明らかに違った水準で加点を受けている選手がいて、それができるルールであることが大問題です。


確かにルールは問題だらけです。でも、どんなに悔しくて歯がゆくても、キム選手を誤った理由で批判してはいけないと思います。
長くなりましたが言いたかったことは

間違った理由でキム選手を批判し浅田選手を擁護することは、浅田選手自体の評価を下げる。

浅田選手とキム選手だけを比べて感情的に不満を言うことは、フィギュアスケート自体のファンではなく、浅田選手が好きなだけのファンが贔屓の選手を評価しろと吠えているだけと思われてしまう。

タラソワは間違っていない。ショートはせめて北米に合わせた選曲にしてもよかったかもしれないけど、そんなことで勝てる状況では到底なかった。

です。


幸い、浅田選手は日本人コーチの指導を中京大で受けつつ、タラソワには総合監督として指導を受け続ける方向なようで安心しました。昨年の世界選手権、今年の五輪と北米での大きな大会が続きましたが、3月の世界選手権はトリノ、来年は東京、再来年はニース、何より次の五輪はソチです。いつまでもこのような北米偏重の採点は続きません(と思いたい)。タラソワの元で培ってきた、バレエの動きを基礎にした美しい所作や、重厚な音楽を力強く演じる表現力がこの先実を結ぶときがきっとくる。

浅田選手が好きだからこそ、同じく浅田選手を応援している多くの人に、わかってほしいのです。ルールをある程度知っていると思える人の記事を見ても、私にもわかるぐらい間違っている点がたくさんあります(私の記事も誤字や記憶違いだらけですが…すみません)。私がそういう記事を見て一番嫌なのは
「ああこの人、浅田選手の演技しかちゃんと見てないんだな」
「ペアもアイスダンスもまるで興味ないのね」
「何かこのキム選手批判のフレーズ、どっかで見たことある…ほんとにわかって言ってるのかな」
です。


確かにここ数年のルール改正は酷なものでした。3回転ループの執拗な回転不足判定はあまりにひどかったと思いますが、ルッツ・フリップのエッジ判定は、本来正確に跳んでしかるべきもの。なぜこのタイミングで…というところに疑念はありますが、浅田選手が言うとおり「ルッツをアウトサイドで跳ぶのは当然のこと」。浅田選手のジャンプには、改善すべき点があったのは事実です。でも彼女は08-09年のシーズン、改善の兆しを見せてくれました。ルッツもエラー判定をもらわずに降りたし、サルコーも入れていた。五輪シーズンということで苦手なものは回避する決断をしたけど、もっともっと滑り込んでいったら、ルッツもサルコーも入れた完璧なプログラムを完成させることができるのではないかとわくわくしています。


私はトリプルアクセルももっと評価してほしいとも思うけど、まず浅田選手には、1回でいいからルッツを入れられるようになってほしい。サルコーも入れて3回転+3回転をまた組み込んで、6種類のトリプルを入れられる非の打ち所のない選手になってほしい。来年東京ワールドがあるので、ルッツの矯正はまた悩ましいところでもあるかもしれませんが、この際東京ワールドは無視してもいいと思います。それよりも4年後を見据えて、1年1年弱点を克服して総合力の高い選手に成長していくことを優先してほしい。20代になる彼女が、この上ジャンプを進化させるのは簡単ではないと思うけど、浅田選手なら絶対できると思う。




そう思うからこそ、「浅田選手のファンは…」と思われたくないのです。彼女の素晴らしさを証明するためにも、誤解や偏見のない意見をファンは口にするべきだと思っています。自身の反省も込めて。




※3/22追記

大変申し訳ございませんが、こちらの記事のコメント欄は閉じさせていただきます。理由の一つは、予想以上に多くのコメントをいただき全員にお返事が出来ないためです。

また、記事を最後まで読んでくださっていないのではと思われるコメントもだいぶ増えてきてしまい、そのしたコメントの一部に書かれている情報でこの記事が検索にかかってしまうのを避けたいため、このような対応をさせていただきました。
いただいたコメントは、勝手ながら画像にしてUPさせていただきました。
1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12 

他の記事にこの件に関してコメントをいただくのもご遠慮ください。場合によっては記事に無関係のコメントとして削除させていただくかもしれません。

+++

ただ、私自身キム選手の得点には未だにショックを受けていて、批判的なコメントをいただいたいる方とも本来なら同じ気持ちでお話しが出来たのではと思っています。にも関わらず、個別にお話しをできないのがとても残念な気持ちです。

どうしても納得がいかないという方は、twitterでダイレクトメッセージ等をいただけないでしょうか。色々考えたのですが、お互いの素性を適度に明かした上で冷静にお話しできる方法はこれが一番ではないかと思いました。さすがにメールアドレスを教えてくださる方はいらっしゃらないと思いますし、私もこの状態で自身のメールアドレスを公開するのは怖いので…。

そして何より、暖かいコメントを下さった方々、せっかくのコメントを消してしまうことになり大変申し訳ございません。コメントはデータとしてはきちんと残っていますし、貴重なご意見として今も心に留めております。私の下手な記事を真摯に読み取ってくださり、親切にコメントまでくださった方の言葉を閉じなくてはならないのはとても心苦しかったです。そのためもあって、これまでずっと全てのコメントを公開してきたのですが、某掲示板のアンチスレッドにありそうな記述がだいぶ増えてきてしまい、そうした一部の情報を増幅させる場にこの記事がなってしまうことを避けたく、このような対応をさせていただきました。本当に申し訳ございません。
posted by: さきんこ | フィギュアスケート | 03:28 | - | - | - | - |
浅田真央選手、ありがとう。
銀メダルおめでとう!素晴らしい演技だった。ショートプログラムも、フリーも。

浅田真央選手が、こんなに強い選手だということを知らなかった。「乗り越える」をテーマに、『強い自分を見せたい』とこだわってきた"鐘"。伝わりました。あなたのこの五輪の舞台での演技全てで、強い浅田選手、強い気持ちがしっかりと伝わりました。技術はもちろんもともと素晴らしかったけど、滑りで何かを伝えられる選手になってくれたことを本当に嬉しく思っています。

はじめての五輪での銀メダル獲得、素晴らしいです。史上初のショートプログラムでのトリプルアクセル、史上初のフリーで2回のトリプルアクセル。この記録は永遠に残ります。ショートで4回転を跳ぶ女子が出てきても、この記録は"塗り替える"ことはできません。誇りに思ってください。タラソワコーチの言うとおり、「誰にもできない」今回出場した選手が「誰もやろうとすら思わない」プログラムをやり遂げました。この演技を一生忘れません。今までフィギュアスケートを見てきた中で一番感動した試合でした。本当にありがとう。


浅田選手が乗り越えたもの――


ショートとフリー、合わせて3回のトリプルアクセル。男子でも3つ成功させることは大変難しいことです(男子はフリーの演技時間が長いですし、ジャンプの数も違います。そして多くの選手が3回転−3回転を入れてきますので、 男子並みと言うのは間違いで、そもそも比べること自体ナンセンスですが、今日ぐらいはあえて言わせてください)。
トリプルアクセル2回という点だけ言ったら男子で金メダルをとったライサチェクと同じですよ。常人のなせる技ではないです。男子の試合を見ていても、3回転−3回転よりもトリプルアクセルで失敗する選手のほうが多い。しかも浅田選手だって、1昨年のシーズンまでは不安定だった。今シーズン初めもてんで決まらなかった。日本のメディアはもちろん、海外や解説者までも「無謀だ」と言う中で、貫きと通したこだわり。練習して練習して練習して、五輪ではまさに百発百中でした。いつも思いますがこの有言実行は本当に素晴らしいです。
代々木でのNHK杯のとき、こんなプログラムを見ることはこの先ないと思いました。こんなのまぐれでたまに出来るだけ。何度も観られるようなものじゃないと。一緒に無理やりつれてきていた連れ合いにも、「こんなの観られるのめったにないことだから、立ちな!」とスタンディングオベーションを強制しました。なのに、その後の試合で2回も3回も同じことをやってみせ、しかも認定を勝ち取り…もう何て言っていいのかわかりません。。3回転3回転は2個目を失敗しても1個目の基礎点が残りますが、トリプルアクセルはパンクしたら終わりです。20点近く失います。他に大技がないので、取り戻すこともできません。この上なくリスクの高い挑戦だったのです。ロシェット選手との点差から、私は銀メダルも危ういと思ってました。なのに…本当に言葉もありません。

そして「重い」「暗い」と不評だったラフマニノフの「鐘」。こんな曲で滑る選手が他にいるでしょうか。1年前までの浅田選手が、この曲に負けずに滑れたでしょうか。去年の「仮面舞踏会」のこともあり、個人的には選曲に対して全く心配していませんでしたが。でも本当に珍しい選曲で、唯一おっと思ったのは今回の表彰式のとき。選手が登場するときにフリーの曲がかかるんですよね。さすがにあの場では違和感ありました・笑。 まぁそれだけ、こういった曲で滑る人は少ないんだと思うことにします。
話が脱線しましたが、「鐘」に浅田選手が強いこだわりを持っていることが今季は嬉しかったです。チャルダッシュは、予想を超える身体的成長のせいか雰囲気に合っていなかったし、幻想即興曲は「きれいな曲で雰囲気に合ってるけど、何を表現したいのかな?」とその意図までは私には理解できいませんでした。「仮面舞踏会」もトリプルアクセルへの果敢すぎる挑戦が曲の荘厳な雰囲気と合っていていいなと思ったけど、やはり浅田選手が曲にどういった思いをこめているのかまでは強く伝わってこなかった。でもこの「鐘」は、「どんな状況でも負けたくない。勝ちたい。どんなに困難でも乗り越えてみせる」という浅田選手の気迫が、ひしひしと伝わってきました。どの試合でも(たぶん)、ストレートラインステップでは実況も解説も言葉を失う。思わずしゃべるのを忘れて見入ってしまう。こんなに魅せられる選手だっただろうか。こんなに観客の心を揺さぶる選手だっただろうか。去年以上に、もはや浅田選手について表現力が課題と言ってのける人は減るでしょう。その人は、浅田選手の演技をまともに観ていないんだと思います。

それだけではなく、今回はショートプログラムもフリーもスピン、スパイラルでレベル4を揃えました。
これまでいかにとりこぼしが多かったことか。。07年世界選手権だってレイバックすピンでレベルを取りこぼさなければ優勝だった。優勝した世界選手権でもスパイラルでショートはレベル1を獲ってしまった。あの異次元に美しいスパイラルも、レベルを獲れず加点も稼げないことが多かったのです。
それを今回は全てレベル4。四大陸でショートプログラムはレベル2の判定を受けたステップも、実質最高レベルのレベル3。密度が非常に濃いこともあって、全体的に加点の少ない浅田選手のプロトコルの中で高い加点をもらっています。コンビネーションの2個目、3個目の回転不足もしっかりと修正してきました。もう五輪では現状のプログラムで含んでいた欠点を全て克服してきたと言ってもいいはず(プロトコル上)。ここまで仕上げるのにどこまで努力したんでしょうか。

浅田真央選手はジャンプだけではない。ジャンプだけでも超人的なのに、スパイラルは女性選手の中でも際立って美しく、スピンも高速で回れる。体力も桁違いにあり、プログラムの最後に素人目に見ても複雑なステップを滑りこなす。こんな全て兼ね揃えた選手がいるでしょうか。たくさん欠点はあります。ルッツのエッジ違反、サルコーも苦手で5種類のトリプルを入れられない、ジャンプに入る前のスピードがない…他にもいろいろ。でも、それを補って余りありすぎる才能ではないでしょうか。


何より感動したのは、あのキム・ヨナ選手の演技のあとで、しっかりと自分を見失わずに演技をしたこと。私は、ショートプログラムでノーミスの演技をしたにも関わらず、キム・ヨナ選手と5点近くの差がついたことでモチベーションが下がってしまわないか心配していました。スルツカヤがトリノ五輪のときに、ショートプログラムの点数でジャッジが自分に勝たせる気がないことを悟り、荒川選手の出来を見て完全に自分を見失ってしまったのを観ていたので…(彼女の心理状態が本当にそうだったかはわかりませんが、ショートプログラムの点差は「あなたに勝たせる気はありません」と選手が受け取っても仕方ない打撃はあったと思います)でも浅田選手は、観ていたかはわからないけどあの点数の後で、しっかりと自分の演技に集中していました。プレッシャーのかかるトリプルアクセルも、2回ともしっかりと決めた。後半のフリップでは、回転が足りず降りてきてしまったけど、残る連続ジャンプを意地で跳んだ。見た目クリーンに降りても2回目を回避することもままあった選手がです。本当に成長しました。

ただ、ここで不安になったのか、次の3Tで氷にひっかかり、跳ぶタイミングを失ってしまいました。
本人も「すぐ跳べばよかったのに、時間が足りなくなるかもと考えたりしてしまった」と迷ったことを悔やんでいました。でも07年のグランプリファイナルのショートプログラムのことを思い出せば、結果シングルになってもその後ジャンプを跳ぼうとした彼女に拍手を送りたいです。よくがんばった。この舞台にかける思いが伝わりました。



どれだけ才能があっても、オリンピックでその才能を発揮でいない選手はたくさんいます。
こんなにも才能があるのに、どうしてよりにもよってこの舞台で…と、たくさんの選手の演技を見て胸を痛めました。今回のオリンピックでも何度も泣きました。トリノでは、最終グループで思うような演技を出来た選手がほとんどおらず、荒川選手の優勝が決まったときは嬉しい半面ショックがぬぐいきれなかった。


五輪でいつもの演技なんてできないし、できなくて当然。
なのに、トリプルアクセルというパンクしたら致命傷の大技に3回も挑むという。
メダルを取れなくてもおかしくないと思っていました。
だから銀メダルを取れたこと、ファンとしては本当に嬉しい。
銀なら余裕だったんだろうと思っている人もいると思いますが、全く違います。
トリプルアクセルを絶対にパンクさせないところまで精度を高め、他のジャンプも回転不足を取られず、スピン・スパイラル・ステップでも狙ったレベルを全て取れるよう努力した成果です。
1つでも欠けていたら表彰台にあがれなくてもおかしくなかった。
だから本当に、浅田選手のことを誇りに思います。
ファンでいてよかった。応援してきてよかった。五輪で、素晴らしい演技をありがとう。


でも更にびっくりしたのは、浅田選手が演技後のインタビューで、言葉が出ないほど泣いていたこと。あんなに泣いている姿を見たのは07年の世界選手権以来です。浅田選手はこんなにも不利な状況の中で、本気で金メダルを目指していた。ミスをしてしまったこと、自身の理想の演技をできなかったことを悔やんでいた。ファンは十二分によくやったと思っているのに、本人はこんなにも悔しがっている――。

浅田選手はまだまだ成長する。
これまでもファンの想像を遥かに超えて成長してきた選手です。

「ラベンダー」を観たときは、「ノクターン」もものすごく美しかったのに、1つ1つの所作が比べ物にならないほど美しくなってきた。
世界選手権で冒頭のトリプルアクセルで跳ぶ前で転倒しても、シーズン通じて回りきれていなかった3F+3Tを完璧に降りた。
前のシーズンまで不安定だったトリプルアクセルという大技を、何とフリーで2回も入れられるようになった。
そして今シーズンはショートプロラムにまで入れてきた。
フリープログラムで自分の思いを表現できるようになった――。

浅田選手はいつも見る側の想像を超えてきました。今回の悔しさを経て、もっともっと成長するに違いない。彼女のこれからのプログラムを見るのが、ますます楽しみになりました。


今日はいっぱい感動していっぱい泣いた五輪のフィギュアスケートの中で、一番感動して一番泣いた日でした。浅田真央選手、本当にありがとう。あなたは悔しがっていたけど、見る人の心に訴えかける素晴らしい演技でした。ファンの期待には、1000%応えてくれました。もし今回の五輪を振り返ることがあっても、「多くの人が期待してくれていたのに申し訳ない」とは一切思わないでください。ずっと観てきたファンは、あなたの演技がどれだけ素晴らしかったか知っています。試合を観たファンは、とてつもないプレッシャーがかかる滑走順だったこと、その中で素晴らしいトリプルアクセルを決め、スパイラルで(ジャンプでもステップでもなくスパイラルで)大歓声を浴びていたことを知っています。


今日のこの演技を、一生忘れません。
これからフィギュアスケートを観ていく中でも、心の宝物にしていきます。
お疲れ様、本当にありがとう。




posted by: さきんこ | 浅田真央選手 | 16:50 | comments(6) | trackbacks(1) | - | - |
プルシェンコがライサチェクに負けた理由を考えてみる(補足)
プルシェンコが戻ってきた以上、金メダルは4回転を決めた上でパーフェクトな演技をした人がなるものと思い込んでいたことから、今回の結果には本当にびっくりしました。びっくりしすぎたせいで、このもやもやした気持ちをどうしたらいいのかとうじうじ考えてしまい、前回のような記事を書きましたが、決してライサチェクが優勝したことや、彼のした選択に不満がある訳ではないのです。彼に「男なんだから4回転跳べよ」とは、結果が出た今でも一切思わない。ライサチェク選手は金メダルにふさわしい演技をしたと心から思っています。

支えてくれた人たちのために、結果を出すことはとても重要なこと。

でもライサチェクは、自分の力を最大限に出せる選択をしただけ。彼が4回転に挑戦したら、全米選手権のような結果になるのは目に見えている(おそらく重点的に練習もしていないでしょうし)。結果が見えているのに、自分の夢を叶え、周囲の人たちの好意に対して最高の恩返しができる機会を、みすみす放り出す理由なんて一つもありません。

ライサチェク選手の選択に否定的な気持ちは全くありません。批判を受けるのが分かっていた中で、勇気ある決断だったと思う。

ライサチェク選手、金メダルおめでとう!




posted by: さきんこ | フィギュアスケート | 22:33 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
プルシェンコがライサチェクに負けた理由を考えてみる
オンラインリザルトを観たときから「これは騒がしくなりそうだ」とぞっとした私。多くの方がそうだとは思いますが・・・。

個人的にはどちらに勝ってほしいと思っていたわけでもないです。が、4回転を跳んでプロトコル的にも無傷だったプルシェンコ選手にライサチェク選手が勝つという結果を目の当たりにして、純粋にびっくりしました。最初に言っておきたいのですが、ライサチェク選手を非難するつもりは毛頭ありません。否定する内容を書くつもりもありません。が、だとしてもファンの方は気持ちがよくないと思うので、見ずに帰っていただくことをおすすめします。。

まず、今回の結果になった理由を考えてみます。
ショートプログラムでは殆ど差がなく、フリーでの逆転でライサチェクが優勝となったので、フリーの結果を見返して見ました。

得点は下記の通り。
ライサチェク : 合計 167.37  / 技術点 85.47 / 演技構成点 82.80
プルシェンコ : 合計 165.51  / 技術点 82.71 / 演技構成点 82.80

演技構成点は見事に同じ点数なので、差がついたのは技術点です。

技術点の内容は下記の通り。

ライサチェク↓


基礎点 GOE 得点
1 3Lz+3T 10.00 1.40 11.40
2 3A 8.20 0.60 8.80
3 3S 4.50 1.00 5.50
4 CiSt4 3.90 1.20 5.10
5 FSSp4 3.00 0.80 3.80
6 3A+2T 10.45 -0.56 9.89
7 3Lo 5.50 1.00 6.50
8 3F+2T+2Lo 9.13 -0.40 8.73
9 3Lz 6.60 1.40 8.00
10 2A 3.85 0.80 4.65
11 FCSSp4 3.00 0.50 3.50
12 SlSt3 3.30 0.90 4.20
13 CCoSp4 3.50 1.00 4.50


74.93
84.57

プルシェンコ↓
1 4T+3T 13.80 0.80 14.60
2 3A 8.20 -0.36 7.84
3 3A+2T 9.50 1.00 10.50
4 3Lo 5.00 0.60 5.60
5 FSSp3 2.60 0.14 2.74
6 3Lz 6.00 0.60 6.60
7 CSSp4 3.00 0.70 3.70
8 CiSt3 3.30 0.80 4.10
9 3Lz+2T 8.03 0.00 8.03
10 3S 4.95 0.80 5.75
11 2A 3.85 1.00 4.85
12 SlSt3 3.30 1.00 4.30
13 CCoSp4 3.50 0.60 4.10


75.03
82.71

ベースバリューはライサチェク74.93のプルシェンコ75.03。4回転を入れているプルシェンコと入れていないライサチェクで、基礎点が0.1しか違いません。

一つ目の理由は、ライサチェクは基礎点1.1倍になる後半に5つのジャンプを持ってきているのに対し、プルシェンコは前半に5つのジャンプを固めていること。ジャンプの基礎点数は下記のとおり。

ライサチェク: 前半 22.7       後半 35.53      合計  58.23
プルシェンコ: 前半 42.5       後半 16.83      合計  59.33

極端なまでに対照的な構成ですね。ジャンプの基礎点でも1.1しか違いません。
ライサチェクの3Lz+3Tに対し、4T+3Tで得たリードがどのように縮まったかと言うと・・・

プルシェンコ ライサチェク 点差
4T+3T 13.8 3Lz+3T 10 3.8リード 3.8
3A 8.2 3A 8.2
3.8
3A+2T 9.5 3A+2T 10.45 ライサは後半なので、プルのが0.95低い 2.85
3S 4.95 3S 4.5 プルは後半なので、プルのが0.45高い 3.3
3Lo 5 3Lo 5.5 ライサは後半なので、プルのが0.5低い 2.8
3Lz+2T 8.03 3F+2T+2Lo 9.13 ライサは3連続なのでプルのが1.1低い 1.7
3Lz 6 3Lz 6.6 ライサは後半なので、プルのが0.6低い 1.1
2A 3.85 2A 3.85 0 1.1

無意味を承知でなるべく同じ種類のジャンプを並べてみました。3A+2T以外の2つのコンボの比べ方は便宜上・・。

やっぱりプルシェンコが前半にジャンプを固めているのに対し、ライサチェクは体力的に大変な後半にジャンプを固めたことで、少しずつ点差を縮めました。あと、プルシェンコは冒頭のコンビネーションを3連続にできなかったのも痛かったですね。おそらくループだったので1.5点失っています。


2つめはフライングシットスピンがレベル3にとどまったこと。基礎点はこれで-0.4点。GOEの係数も変わるので、結果的にこれも大きい。

あとは、ライサチェクがサーキュラーステップでレベル4を獲得したこと。これはプルシェンコがどうというよりライサチェクが見事だったという他ありません。ショートプログラムと両方でレベル4獲得は素晴らしいの一言に尽きますよね。あれだけ豪快にステップを踏みながら上半身を音楽に合わせて動かしているのを見ると、本当にがんばったんだなと拍手を送りたい気持ちになります。で、プルシェンコはレベル3だったので基礎点は-0.6点。

ジャンプで得た1.1点のアドバンテージが、スピンで0.4点、ステップで0.6点縮められて0.1点に。


あとはもう簡単。GOEの差でした。

これは演技を見ても納得。プルシェンコはジャンプで軸が曲がることが多く、よくこんなに曲がってて降りられるなと関心するぐらい傾いていました;対してライサチェクは、ほとんどのジャンプをクリーンに、素晴らしい流れの中で降り、ジャンプの前の動作にも工夫がありました。私も演技を見てからは、最近の採点傾向からしてもっとものすごい点差がついてもおかしくなかったかなとさえ思いました。


プルシェンコが負けた原因は、体力面を考慮してジャンプを前半に固めていたため(あとそもそも3回転フリップを回避していたため)に、ジャンプの基礎点で大きな差をつけられなかったこと。3連続が入れられなかったこと。そしてスピンで1つだけ、レベルを取りこぼしたこと。GOEでも差がつきましたが、素人目にも妥当な差だったと思いました。なので、ルールにのっとった妥当な採点で、ライサチェクが勝ったことに何の異存もありません。4回転を抜いてもクリーンに滑れた選手は数えるほどしかいませんでしたし、確かにあの出来のプルシェンコを1位にするかは相当悩ましかっただろうなと思います。



・・・でも少しだけ、心にひっかかってしまうのは・・・・・。ライサチェクを称える気持ちに何の偽りもないと自分で信じているつもりなのですが、ジャッジの方々、ISUの方々、このまま突き進んでいっていいの?と問いたくなってしまいます。

ここ2年の世界選手権に続き、ついに五輪でも、4回転をとばない選手に軍配を上げました。世界選手権では、4回転を跳んだ選手が大きなミスをしていたので、4回転が大変だと言っても、ミスしたものは帳消しに出来ないと思って納得せざるを得ませんでした。でも今回は4回転をしっかりと決め、他もミスなく滑りきった(GOEでマイナスされた要素はプルシェンコのほうが少なかった)選手をも、3回転半までの選手が上回ってしまいました。

4回転を跳んで、ステップは両方レベル3、スピンも2つレベル4、取りこぼしたといってもレベル3。フィギュアはトータルパッケージだというけれど、この結果を見てプルシェンコがジャンプ以外をないがしろにしているという評価にはなっていないように見えます。

つなぎは確かに密度が薄く、PCSはジャッジの間でも相当評価が分かれていました。ライサチェクは全員が全ての項目で7点〜9点。プルシェンコは6点台がいくつか出ていた。でも結果的にはPCSは全く同点。

今回の2人の技術点の差は、「4回転を入れているからってジャンプを前半に固めるな。スピン・ステップで一切レベルを取りこぼすな。つなぎ(GOEに影響する)も濃くしろ。」と言っているように聞こえます。

いくらなんでも難しすぎやしないでしょうか・・・。そんなの早々出来ることじゃありません。そこまでしないと4回転は結果に結びつかないのなら、ますます4回転に挑む選手が減ってしまうのではと心配です。

試合で挑まないだけでなく、もう練習しないという選手が増えてしまうのでは?4回転に割く時間を、スピンやステップ、その他の練習に全て費やして…4回転が入った豪快なプログラムを見られる可能性は土台から低くなってしまいます。勝手な要望ですが、それじゃさびしすぎます。。


今回の内容で、プルシェンコが勝つべきだったとは思いません。でも何とかしないと、このままでは4回転は選手の見返りを期待しない純粋な向上心に頼ることになってしまうのではないでしょうか。私は06年のTEB、SPの最終滑走でジュベールが登場した時、その日初めての4回転を豪快に決めて、佐野稔さんが「男子のSPはこうでなきゃ!」と叫んだときのことが忘れられません。あんな高揚感は、もう得られなくなってしまうのでしょうか。。
posted by: さきんこ | フィギュアスケート | 23:32 | comments(8) | trackbacks(0) | - | - |
大ちゃん銅メダルおめでとう!
今日見せてくれた「道」は、メダリストの中でも一番輝いた演技だったと思います。

4回転で転倒しても、高橋選手の演技が一番素晴らしかったと思いました。PCSは2人のメダリストだけでなく、あれ程に高い評価を受けていたランビエールよりも高い得点をもらっていましたね。

戦略として不利だとわかってはいても、金メダルを自らの手で引き寄せるんだという強い信念のもと、4回転に挑戦。転倒しても他のジャンプに影響させず、課題だった体力面の不安も見事にクリアし、ラストまで力のこもった演技でした。あえてここでジャンプ構成を変えてトリプルアクセルを後半に持ってきた訳ですが、ランビエールとの総得点の差が0.51しかなかったのを考えるとこの挑戦も奏功しましたね。3回転+3回転のセカンドトゥループがダウングレードになったのと、2回跳んだルッツもおそらくエッジの問題でGOEがマイナスになったので、あまり点数は伸びませんでしたが、書いてるそばからどうでもよくなってきました。

8年前に本田武史選手が届かなかった銅メダル。3位と4位は全く違った、メダルを取れた選手と取れなかった自分には大きな溝があったというようなことを語っていましたが、そう思うと金メダルに近い位置で戦い、プレッシャーに耐えて3位にふみとどまったのは本当に素晴らしい。

何より大ちゃんが素敵だなと思ったのは、ショートプログラムとフリースケーティング、全く違う自分をみせてくれたこと。「eye」は妖しく美しく、誘うように煽るように、男性ならではの色気を前面に出したプログラム。一転「道」では、素の自分が持っているそうした雰囲気を完全に消し去り、最初から最後まで道化師になりきる。表面的にはおどけてみせていながら、内に秘めた孤独や哀愁が見る人の心を掴んではなさない。ここまでショートとフリーで全く違う面を見せてくれたのは彼だけではないでしょうか。あとシュルタイスか・笑

大ちゃんのガッツポーズ、久しぶりに見たな。ほんと、心に浸みました。日本人男子初のメダル、本当におめでとう。素敵な演技をありがとう。今日の演技は、絶対にずっと忘れません。

posted by: さきんこ | フィギュアスケート | 00:54 | comments(3) | trackbacks(0) | - | - |
高橋大輔選手SP 「eye」 @vancouver2010

Name:Daisuke Takahashi (Japan)
Age:23
Coach:Utako Nagamitsu
Music:eye by coba
Choreographer:Kenji Miyamoto

Total Element Score : 48.90
Program Component Score : 41.35
Total Segment Score : 90.25

2010年バンクーバーオリンピック、男子ショートプログラムのハイライトは、高橋大輔選手でした。少なくとも私はそう思いました。

ステップはもちろん、ジャンプの前後、つなぎのステップまで、深く深く、スムーズなエッジワーク。情熱的で妖艶で、時に挑発的にすら見せる圧倒的なオーラ。決して体格的に恵まれているわけでもなく、まして世界選手権やグランプリファイナルを制した実績も無いにも関わらずこの評価の高さ。高橋選手の演技がジャッジの心を打った証拠ではないかと喜んでいます。忘れられない演技になりました。

何より興奮したのは、ストレートラインステップのレベル4!(後でライサやチャンもサーキュラーステップで獲得してたけど^^;)。なんと2.20の加点がつき、合計で6.10点。トリプルルッツの基礎点より高い得点をステップで獲得しました。

シーズン序盤はとりこぼしが目立ったスピンもしっかりとレベル4を揃えました。スピードもあまり落ちず、キレがあったように感じました。

それにしても、「eye」は本当に高橋選手に合ったプログラムで、もはや彼のために作曲された曲にしか思えません^^;定番の曲を使って、曲負けせずに自分なりに表現して滑るのも大変なことだと思うけど、『この曲、もう他の選手使えないだろうな』と思わせるプログラムを滑れることもスケーターとしてとても幸福なことなんじゃないかな。

4回転に挑むことを毅然とした態度で表明したという会見の様子もニュースになっていましたね。ライサチェクが回避をするのは足の状態の問題もあってのことだと思うので、無理してまで跳んでほしいとは思わないのですが。。プルシェンコが最終滑走ということなので、金を目指す選手はぜひ跳んでおきたいと思っていますよね。まして大ちゃんはずっと4回転挑戦を明言してきた選手。川口悠子選手も直前に4回転スローサルコー回避を決めたせいで気持ちの整理がつかなかったと言っていましたし(結果3回転スローサルコーでミス)、日本人男子初のメダルに目の眩んだ連盟の関係者とかが妙なことを言い出さないことを祈るばかりです。

今日のフリーへの期待をこめて…ひとまず高橋選手、スモールメダルおめでとう!
※フリーは仕事でどうしても観られません・・辛い。。。


1 3F+3T (BV:9.50、GOE:0.80)
3Fを降りた後少しつまってしまい、3Tが低くなり本田武史氏が回転不足を心配していました。点数が出るまではものすごくどきどきしましたが、認定されてよかったです!

2 3A(BV:8.20、GOE:1.40)
なんて綺麗なトリプルアクセル!飛ぶ前も、降りた後も流れが素晴らしかった。

3 3Lz(BV:6.00、GOE:1.80)
いつものごとくまるで理解が追いつきませんが、大ちゃんのはエッジが明確でわかりやすいのもあり、見えた範囲で書いてみます。
RBI(3Aの着氷)→LBO→LBI(右回りでチョクトー)→RFO(右回りでスリー)→RBI→LBO・RBI→RBI(ジャッジを煽るような印象的な表情)→LBO→RBI→LBO・RBI→LBO→RBI(右回り・チョクトー?)→LFO?(右回り、ロッカー)→LBO→RBI→LBI・RBO→LFO→LFO(・RFO?)→LFO(右回り)→RBO(クロスシャッセ?)→LBOからルッツ!

4 CCoSp4(BV:3.50、GOE:0.40)
もしかしてサイウェイズ→レイバックのところは「横から後ろへの姿勢変化、両方で3回転ずつ」の要件を狙っているのでしょうか?サイドウェイズが2回転に見えたので、認定されたのは下線の4つかな?と思ったのですがどうでしょう。とにもかくにもレベルはしっかり取りました。

♯キャメルの基本姿勢
♯パンケーキ(シットスピンの難しいバリエーション
♯サイドウェイズ
♯レイバック
♯チェンジエッジ
♯足換え
♯クロスフット(アップライトの難しいバリエーション同じ姿勢で8回転

5 SlSt4(BV:3.90、GOE:2.20)
出ましたー!レベル4!!
レベル4の要件は下記のとおり(フィギュアスケート資料室さま より)。
ターンの種類を満たしているのはわかったかも!
・・・が、それ以外は正確にわからないのですが、全て満たしているということですね。
すごいー!素人目にも一蹴りがすーっと美しく伸び、倒れそうなぐらいディープエッジで滑っているのがよくわかりました。

【1】 ターン・ステップのうち、次のものが行われている。(必須)
[ターンの種類に関して] スリー、ツイズル、ブラケット、ループ、カウンター、ロッカーのうち、5つを両方向に1度ずつ
[ステップの種類に関して] トウステップ、シャッセ、モホーク、チョクトー、チェンジエッジ、クロスロールのうち、3つを両方向に1度ずつ
 
(2) 総距離のうち1/3以上は左回りの、1/3以上は右回りの(ターンやステップによる)滑走である。ただし、体が1回転することなく方向転換した部分については、総距離には含まれるが、左回り・右回りの計算では無視される。
(3) 両腕・胴・頭の3つのうちすべてを見る目に明らかに使っている。
(4) 回転方向の素早い転換。すなわち、ロッカー、カウンター、ツイズル、素早い回転のトウステップ 素早いステップの4つのうち、回転方向の異なる2つ(同じ種類でもよい)を素早く続けて行う。


左足 右足
FO
深い!

FI チェンジエッジ

FO
FI FO
FI BI

BI 右回り,ループ

BI
BO BI
BO
左回り,カウンター
FO


FI 左回り,カウンター

BI hop,左回り
toe


FI 回り,ロッカー

BO 深い・・・どうしてこれで倒れないのー
toe
hop,右回りに1回転

BI 左回り,チョクトー
FO
左回り,ツイズル1.5回転
BI
シャッセ?

BO どうしてこれで倒れずにいられるのーその2 シャッセ??
BO
シャッセ?

BO クロスロール?
BO
右回り,スリー
FI

FI toe
FI
右回り,カウンター
BI

BI BI
BI toe
toe toe 両手を挙げてポーズ

toe
FI
左回り,ロッカー
BO


BI 左回り,カウンター (ジャッジ席をばっちり見てポーズを決めながら)
FO
左回り,ループここでもやっぱり深い・・・
FO
回り終わった後も深い

FI 左回り,スリー

BO クロスシャッセ?
BI

BO BI 右回り
toe


FO

FO 右回り,ツイズル1回転(にしては左足を着くのが早いか?スリー?)
toe


FO 右回り,ツイズル1回転

FO

toe 右回り
BO
クロスロール?

BI
BI
右回り,カウンター
FI
右回り,チョクトー

BO クロスシャッセ?
BI


toe
toe
hop

toe
FO

FI FI 左回り
BI FI
BI



BO

FI
BO
チェンジエッジ
BI
・・・その後足元見えず

6 FSSp4(BV:3.00、GOE:0.30)
こちらもしっかりレベル4を取りました。大ちゃんはじめ、上位選手は本当にレベルの取りこぼしが少ないですね。

デスドロップ
♯パンケーキ(シットの難しいバリエーション
チェンジエッジ
♯シットの基本姿勢
♯チェンジエッジ
♯ブロークンレッグスピン(シットの難しいバリエーション

7 CiSt3(BV:3.30、GOE:1.10)
こちらはレベル3でしたが、GOEで+1.10の加点をもらっています。序盤は「ジャンプしっかり降りるぞ!」というとても意思のこもった表情をしていて、それはそれで素敵なのですが、このあたりはとても表情豊かに踊っていて魅せられてしまいます。

左足 右足
FI
右回り,ループ
FI FO
BO BI 右回り

BI
toe toe hop,左回り
toe

BI


BO チェンジエッジ

BI hop,左回り
toe
hop,左回り
BI FI

BO 左回り,スリー

FI
FO
クロスロール

FO 右回り,ロッカー

BO クロスシャッセ??
BI


BI 右回り,スリー

FO
toe


toe
FO

BO
クロスシャッセ?

BI
BI BO

BO 左回り,カウンター

FI
FI
左回り,ロッカー
BI

BI BO
FO
左回り,ツイズル1回転
FO


FI
FO FI 右回り,スリー?

BI
BO BI
BO
右回り,ツイズル1.5回転
FI

FI FO

FI 左回り,ループ?
FO FI

toe hop,笑顔!
BO


BI
BO
クロスロール?

BO 左回り,ループ

BO 左回り,hop
toe
hop

toe
toe


toe
静止


BO クロスシャッセ?
BI


BI チェンジエッジ

BO スリーをやろうとした?

(FI?) ブラケットをやろうとした?

BO
BO


FI?
BO


BO 左回り,ツイズル1.5回転

FI
FO
クロスロール?

FO 右回り,ツイズル1回転
FO

FO 右回り,ロッカー

BO ふ、深い・・・
toe BO 左回り

FI
BO? toe
toe


toe
toe


FO 左回り,ロッカー

BO 左回り,スリー

FI
BI FI

FI 左回り,スリー

BO 左回り,モホーク
FO

FO
FI

BI FI

8 CSSp4(BV:3.00、GOE:0.50)
スピンは全てレベル4を獲得しました。ポジションもしっかりしていて、スピードも落ちず良かったのではないでしょうか。このあたりは何度観ても感動で足元を見るのがおそろかになります。

バックエントランス
♯パンケーキ(シットの難しいバリエーション
チェンジエッジ
♯シットの基本姿勢
♯足換え
♯シットの基本姿勢
♯キャノンボール(シットの難しいバリエーション
posted by: さきんこ | フィギュアスケート | 00:12 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
真価が問われるのはここから
ゆっくり記事を書けるのが今日くらいなので、とりいそぎ男子ショートの感想を。

手に負えないような緊張と戦いながらも、ある時点までは楽しく観戦していたのですが、ジュベール選手の演技以降は、ショックを引きずりながら観てしまいました・・・。彼が4年間目指してきたものが、こんなにもあっけなく、遥か遠くへ行ってしまうなんて。。普段なら「あきらめるな!最後まで力強く滑って!」と思うところですが、彼の気持ちを想像すると、とてもそんな応援はできませんでした。どうやったら彼が明後日に前向きな気持ちで望めるか、そればかり考えていました。

プルシェンコ選手は西岡アナの言うとおり「4年経ってもプルシェンコ」でしたね。トリノの時は90.66点、今回は90.85と点数までほぼ同じ。

変わったのは周りの選手。トリノの時は2位に10点以上もの差をつけて独走態勢に入りましたが、今回は0.55点差でライサチェク選手、0.60点差で高橋選手がぴたりと着けています。大接戦!

ライサチェク選手は、前回フリーで3位に入るノーミスの演技をしたものの、ショートの出遅れでメダルに届きませんでした。そういえばあの頃のライサはショートが苦手で、フジにも「逆転の男」とか言われてたなぁ。今となっては信じられないですね。まだショートではありますが、トリノのリベンジが果たせてよかったです。

高橋選手は・・・本当によかった!トリノのときは今回と同じジャンプ構成で73.77点。プルシェンコ選手に16.89点も離されていたんですよね。4年間で縮めた16.29点こそ、彼の努力と成功の証。何とPCSではプルシェンコを上回りました。前回は「プルシェンコがいたとしても、金メダルを獲りたい」と語っても「目標高くて偉いなー」だったのに(ごめんなさい。。)、今回はプルシェンコ選手にとってもかなり脅威なのではないでしょうか。本当に素晴らしいですね。っていうか、やったー!!

個人的に目を覆ってしまったのは、ジェレミー・アボット選手。ライサチェク選手の素晴らしい演技の後で、大丈夫かな・・・(GP FINALでも大ちゃんの好演技の後で失敗していたし・・)と思っていたら不安が的中してしまいました。

でも彼は試合後、早速twitterでつぶやいていて、嬉しいことを言ってくれています。

I promise with all my heart that there will be a reason to smile on thursday! My goals are out of reach, but my Olympics is not over yet!
木曜日には笑えるようにすると約束する。僕のゴールは手の届かないところに行ってしまったけど、オリンピックはまだ終わっていない!

そうだよね!メダルだけが全てじゃない。最高の舞台で、最高の演技をするチャンスはまだ残されてる。
さらには、こんな涙ぐましいことも言ってくれてます。

Thank U all 4 UR love & support! I love sharing my sk8ing & joy w/ you all! Im only sorry 2night I had 2 share my disappointment and regret!
皆の愛と応援に感謝してる!自分のスケーティングと喜びを分かち合えるのは嬉しい。ただひとつ申し訳ないのは、僕の落胆と後悔まで分かち合わないといけないこと。

24歳で初めて、やっとの思いで掴んだオリンピックの舞台。さぞがっかりしているでしょうに、周囲を気遣う言葉が出てくるとは脱帽。そんなアボットが大好きだーーー。

今日うまく行った人も行かなかった人も、明後日には最高の演技が出来ることを祈っています。

※因みにアボットはドーピングも受けたらしい・・^^;


posted by: さきんこ | フィギュアスケート | 18:58 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
バンクーバー五輪 男子シングルに向けて (その2)
いよいよ来週に迫った男子シングルを前に、4回転を入れるか入れないかという論争でメディアも騒がしくなってきました。

男子たるもの、まずは4回転を決めるものだ。他のことはそれからだ。
 ・・・という欧州勢。

4回転は必ずしも必要ない。密度の濃さと完成度を軽視するな。
 ・・・という北米勢。

といったような対立の構図が報じられているようですね。

どちらの言っていることも納得はできます。4回転無しでも採点方法にうまく合わせてジャンプの点を積み重ねれば4回転を入れたのと同程度の点数が取れてしまう現状は歯がゆくてなりません。でも、ジャンプがどんなに素晴らしくても、つなぎを犠牲にした演技にはどうしても更に上を要求したくなります。


・・・・・ただ、とっても贅沢でわがままだと思いつつ、どうしても思ってしまうのが、
誰か両方揃えた演技をやってのけてくれないものか。。


個人的には、そんな演技をしてくれるのでは・・と夢を見させてくれるのは、大ちゃんとアボットかなと思っています。4回転を決め、かつスピン・ステップも高い難度のものを揃えられるだけでなく、つなぎの動きでも魅せてくれる。彼らが最高の演技を出来たらどんな素晴らしいものになるか・・・ソルトレイクのヤグディンのような、採点への不満や疑惑の出る余地のない、「NO DOUBT!」な演技になるのではと胸が躍ります。  アボットは3回転半が1回ですけどね。



あと、ちょっと別の話ではありますが、例え欧州の選手が優勝しようと、北米の選手が優勝しようと、「どっちが正しかった」という結論付けはしたくないなと思います。優勝した側のメディアは「ほら見ろ、こっちが正しかった」と鼻高々でしょうが、五輪も、数ある試合の1つでしかありません。たまたま、その試合はそうだったというだけです。4回転を入れた選手は、それが男子のあるべき姿だと信じ、点数を重ねる上では不利で非効率でもこだわり続けてきた選手。4回転を入れなかった選手も、さまざまな事情から入れられない中で、ジャンプの入り方を工夫したり、ただ滑る部分を最小限にしてつなぎを入れたりと、最大限の努力をしてきた選手。どちらも出来る限りの力を尽くしたことに変わりないし、どちらも素晴らしい。

五輪後には、勝った選手にばかりスポットライトが当たると思いますが、優勝できる選手はたった一人だけ。仮に全員がノーミスで演技をしても、みんな金メダルやメダルを目標にしているとしたら、悔しい思いをする選手のほうが多いに違いない。

でも、トリノから4年間、どの選手も様々な苦難と戦いながら成長してきた姿を見てきました。どの選手が一番辛い思いをした・・ということはありません。みんな、全員ががんばってきた。4回転はおろか、トリプルアクセルも不安定で、精神的にもあんなにも脆かった大ちゃんが、4回転を2回入れて世界最高得点を出せるような選手になった。トリノで6位に沈んだジュベールが、1つのプログラムで3回の4回転を跳び、シーズン全勝で世界チャンピオンになった。ベルネルが欧州チャンピオンになれた。ジョニーが4回転を降りた(ただし回転不足)。3年前までは世界選手権にも出たことの無かったアボットが、グランプリファイナルチャンピオンになった・・。

様々な選手の成長を、この目で見てきました。そして、五輪の舞台に立てなかった多くの選手の思いも、僅かながら知っています。

優勝した選手のドラマだけが全てではない。五輪はたくさんあるうちの試合の1つ。この舞台を輝かせるものは、その商業的価値ではなく、この舞台を夢見てきた多くの選手の思い。

もちろん優勝した選手には惜しみない賛辞を贈るつもりですが、この五輪を目指してきた全ての選手に、拍手と感謝を贈りたいと思っています。どの選手に勝ってほしいという気持ちは一切ありません。心から、全ての選手にとって最高の舞台になることを祈っています。
posted by: さきんこ | フィギュアスケート | 23:38 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
バンクーバー五輪 男子シングルに向けて
オリンピック公式HPに出場選手一覧が出ていたので、男子で知っている選手を拾ってみました。みんなそれぞれに思い入れがあって、これまでの4年間を思い出すと感慨深いな・・・。下記に挙げる選手だけでなく、全員が悔いなく、最高の演技を出来ることを祈っています。

ジェレミー・アボット(アメリカ・24歳)
GPシリーズから徐々に調子を上げ、全米選手権で素晴らしい演技を見せて堂々の2連覇を達成したアボット選手。初めて出た08年世界選手権は、ライサチェクの欠場により回ってきたものでしたが、まさかグランプリファイナル優勝経験者、そして全米チャンピオンとして五輪に臨むことになるとは・・。大舞台を経験するって、本当に大事なことなのですね。SPはビートルズの「A Day in the Life」、FSはサン=サーンス「交響曲第3番"オルガン付き"」。どちらも彼の持ち味を生かした素晴らしいプログラムで、個人的にも大好きな選手です。ぜひSPを落ち着いて決めてもらって、FSでまた全米のような演技が見たい!

フローラン・アモディオ(フランス・19歳)
シニアグランプリシリーズに彗星のように現れたアモディオ選手。緩急の使い分けが見事なSP「ミュンヘン」。そして一度見たら忘れられないFSの「アメリ」。若い勢いはヤニック・ポンセロ選手やアルバン・プレオベール選手を退けてフランス代表の座を掴みました。10代で五輪を経験できることは、きっと彼のこれからにとって非常に大切なこと。国内選手権では4回転サルコーも降りたようだし、ぜひ台風の目になってほしいところ。

アルチョム・ボロドウィン(ロシア・20歳)
ロシアの2枠目はボロドウィン選手。(ああ、ヴォロノフ・・。)ロステレコム杯3位、NHK杯8位、ロシア選手権3位。デニス・テン君と同じくブイアノワコーチですね。プルシェンコの後が中々・・・なロシアですが、さすがに次の五輪では31歳になっているプルに頼る訳にはいきませんし(本人はやる気のようですが)、ぜひ存在感を示してほしいです。がんばって!

ミハル・ブジェジナ(チェコ・19歳)
09年世界ジュニア選手権銀メダリストのブジェジナ選手。シニアグランプリシリーズデビューとなった今年はNHK杯でいきなり表彰台に!三国選手権ではベルネルを上回って優勝し、ヨーロッパ選手権でも4位に飛び込みました。上の3人がプルシェンコ、ランビエール、ジュベールですから、すごいことですよね。FSの「パリのアメリカ人」は大好きなプログラム。NHK杯のような演技が出来たら、ひょっとしたらひょっとするかも?!

パトリック・チャン(カナダ・19歳)
地元カナダの期待の星、チャン選手。最近何かの記事を読んでいたときにチャン選手とレイノルズ選手が同い年と書いてあって、知ってたはずなのにびっくりしてしまいました。チャン選手はプラス3歳、レイノルズ選手はマイナス3歳ぐらいに見える・・。バトルが引退したことでこの若さで地元の期待を一手に背負うことになってしまい、本当に大変だろうなと思います。4回転は必ずしも必要ないと断言したり、ジュベールを挑発してみたりと、「この若造め〜」とか思ってしまうときもあったりするのですが、演技を見るとそんな気持ちもどこかにとんでっちゃうんですよねー。SP「タンゴ・デ・ロス・エクシラドス」はもちろん、新しいFS「オペラ座の怪人」も、ノーミスで滑れれば鳥肌ものだと期待させるプログラムでした。オペラ座は定番中の定番プログラムですが、スケーティングがよくて、雰囲気も作れる人が滑ると否が応でも引き込まれてしまいます。大きな重圧がかかると思いますが、がんばってほしいです。

ヴォーン・チピアー(カナダ・25歳)
カナダの2枠目を勝ち取ったチピアー選手。グランプリシリーズで見たときはだいぶジャンプに苦労していた印象だったのですが、カナダ選手権でがんばったんですねー。本番でも豪快なトリプルアクセルに期待してます!

サミュエル・コンテスティ(イタリア・26歳)
昨年の欧州選手権で、忘れかけていたフィギュアスケートの面白さを思い出させてくれたコンテスティ選手。今年はSP・FSもアイスダンスのODのような衣装…もといシングルでここまで表現できるのは素晴らしい。特にFSのアンデス民謡が他の選手にはない個性を放っていて好きです。フランスからイタリアに移ってまで掴んだ代表の座。いい演技をできることを祈っています。

ファビエル・フェルナンデス(スペイン・18歳)
こちらも去年の世界選手権で強烈な印象を残し、枠も勝ち取ったフェルナンデス選手。まだ18歳!エリック杯でFSの「パイレーツ オブ カリビアン」を観たときはその演技力に感動しました。・・・が、欧州選手権で観たときは、見慣れたせいもあってか密度の薄さが気になったかな。。あと樋口豊さんの言うようにトゥジャンプの跳び方にちょっと癖があるのも・・。でも4回転を入れた上で破綻せずに滑り切る力があることも見せてくれたし、やっぱり好きなので応援してます!

ブライアン・ジュベール(フランス・25歳)
ついにジュベールがずっと目標にしてきた舞台がやってきました。もうこの人について、私が今更言えることはありませんが・・。でも、ずーっとずーーっと、気持ちを切らすことなくがんばってきたことを、みんなが知っています。モチベーションというのは気持ちの問題と言ってしまえばそれまでですが、実は一番難しいところかもしれない。ランビエール選手も安藤選手も高橋選手も、みんな悩んでいたわけで。だからこそ、どんな試合でも本気で挑み、負けるととことん悔しそうにしているジュベールが大好きです。前回の悔しさを晴らしてほしい。4回転で競い合う、強い男子フィギュアをみせてほしい。頑張れ、ジュベール。

アントン・コバレフスキー(ウクライナ・24歳)
彼は08年のNHK杯に行ったときに観たのを覚えてます。ウクライナの代表は彼一人ということで大変でしょうが、健闘を祈ります。・・・よく知らなくてごめんなさい。。

小塚崇彦(日本・20歳)
昨シーズン大きく成長した小塚選手。個人的には日本人男子で彼の滑りが一番好きです。ニーノ・ロータの「ロミオとジュリエット」がこんなに似合う日本人男子た他にいないと私は信じています^^今年は一転、ギターで魅せるプログラムですが、彼の正統派の滑りはカナダの観客にもきっと好まれるはず。個人的には4回転無しでも・・と思いますが、挑むつもりのようですね。これまで安定してできていないものを五輪でいきなりは大変だと思いますが、ぜひ成功させてほしい!

ステファン・ランビエール(スイス・24歳)
よくぞ戻ってきてくれました、ランビエール。自分の演じる曲が何たるかを理解してこそフィギュアスケート。ランビエールは自身のプログラムを通じて常にそのことを訴えかけてきます。シーズン中にFSを新しく作るという賭けに出た彼ですが、「椿姫」は文句無しに素晴らしいプログラムでした。高いPCSで、ジャンプが不調でも上位に食い込んでくる可能性はあります。トリプルアクセルは回避でしょうからむしろ無駄な失点が防げるかも・・・。

ステファン・リンデマン(ドイツ・29歳)
リンデマン!よかったー、派遣してもらえるんですね。怪我や病気でブランクがありましたが、五輪に間に合ってよかったです。出場選手の中で最年長ですが見た目は・・(笑)。欧州選手権を見る限りでは、ジャンプ云々よりもスケートがよく滑っていて安心しました。おかげで本番を楽しみに待つことができます。

エヴァン・ライサチェク(アメリカ・24歳)
トリノで見せてくれた「カルメン」は素晴らしいプログラムでしたが、まさか彼が世界チャンピオンとして五輪に臨むことになるとは・・。SP「火の鳥」、FS「シェラザード」と王道プログラムで真っ向勝負に挑みます。4回転を入れるかどうかはかなり迷うところですね。音楽にもよくあった密度の濃いプログラムなので、回避しても高得点を出せる可能性があるだけに。。彼がどういう滑走順でどういう選択をするかで他の選手にも影響がありそう。

織田信成(日本・22歳)
4回転を入れると意気込んでいる織田選手ですが、展開によってはモロゾフに回避を厳命される可能性もあるので、動揺しないよう心の準備をしておいてほしいな・・と余計な心配をしてみたり。ジョニーが他の選手の出来を見て急遽4回転回避を決めておかしなことになってしまったあの嫌な記憶が・・・
って織田選手は4回転無しバージョンを何度も滑ってるので大丈夫とは思いますが。あとはみーーんな思ってることですが、跳びすぎないでね!

ヴィクトール・ファイファー(オーストリア・22歳)
いろいろごたごたあったっぽい(そんなざっくりな記憶ですみません;)らしいファイファー選手。無事オーストリアから出場です。ファイト!

エフゲニー・プルシェンコ(ロシア・27歳)
男子フィギュアを4回転時代に引き戻してくれたプルシェンコ選手。さすがに以前ほど他の選手との間に溝はありませんし、FSはトリプルフリップ回避、つなぎもあっさり目で、他の選手がいい演技をすれば十分に勝てる状況ですね。でもプルシェンコ選手を退けて優勝できた場合、その選手は4回転を決め、しかもプルシェンコに勝ってオリンピックタイトルを取ったというこの上ない幸せな選手になるはず。4回転を回避してチャンピオンになっても、もちろん嬉しいだろうし価値のあることだとは思います。でも、4回転を決めた(=自身のできる最高の演技が出来た)ときの感動や、ソルトレイク以降ほとんど誰も勝てなかったプルシェンコ選手を破る興奮にはきっと叶わない。勝ったら勿論すごいけど、勝たなくてもやっぱりすごい。プルシェンコはやっぱりプルシェンコですね。

エイドリアン・シュルタイス(スゥエーデン・21歳)
クリストファー・ベルントソン選手との熾烈な代表争いを制したシュルタイス選手。国内選手権はベルントソン選手が勝ちましたが、欧州選手権の結果と何より将来性を見込んでシュルタイス選手が派遣されます。あのFS・・・訳がわからない(すみません)のになぜか何かが伝わってくるようなあの踊りを五輪で見られるとは(笑)でも彼のスタイルからするとちょっと意外な選曲のSPに対し、FSはいかにも「こっちのほうが好き!」という感じで本人ノリノリなのが面白いです。五輪に出れば人生が変わる(byバレーボール男子の植田元監督)。今後のシュルタイス選手にとって大きな大きな経験になることでしょう。

高橋大輔(日本・23歳)
高橋選手が戻ってきてくれて、日本は男子フィギュアで「金メダルが取れるかもしれない」という期待を持って五輪を迎えることができる。なんて幸せな状況でしょう。4回転の調子は戻ってきていないし(でも回避はまずしない)、体力面の不安もある。でも高橋選手は、五輪金メダリストに値する国際的評価を得た初めての選手。グランプリファイナルの時のように、4回転を跳ばない選手に負けてしまう可能性も十分にある。でも芸術面でここまで評価を受けた日本人選手がかつていたでしょうか。スケートカナダのFSやグランプリファイナルSPで得た高橋選手のPCSは、「ジャンプさえ決めれば確実に1位になれる」そう確信できるほど高いものでした。特に日本人選手に勝ってほしいという思い入れはない私ですが、欧州や北米から見たら後進国だったアジアの選手が、ここまで高く評価されることはこの先もないかもしれない。大ちゃんは本当に宝物のような存在です。そして五輪では、ぜひとも、あの素晴らしい「道」の完成形が観たい。ファンでもないのに、書いているだけで泣けてきます。がんばって、大ちゃん。

デニス・テン(カザフスタン・16歳)
とにかく楽しみなのがこのデニス・テン選手。SPはすでにカナダの観客からスタンディングオベーションを受けている「sing,sing,sing」。さすがタラソワの振り付けという感じで、スピンもステップも内容がぎゅっとつまっていて、つなぎや休む時間が無いほどのプログラム。16歳にしてすでに踊る心と演じる力も十分持っている。練習では4回転も降りているそうで、何とスピンの柔軟性もあるというオプション付。今シーズンはジャンプに苦労してますが、ぜひロス世界選手権のように有終の美を…(世界選手権もあるけど)五輪に旋風を巻き起こしてほしい。頑張れ、テン君!

グレゴール・ウルバス(スロベニア・27歳)
何か久しぶりだな・・・年に1回欧州選手権で観るぐらいだったのでぶっちゃけよく知らなくて…ごめんなさい。。こちらも一人の代表ということで大変だと思いますが、ベテランの演技で魅せてほしいです。

トマシュ・ベルネル(チェコ・23歳)
何とかここで復活が見たい。ひどい風邪をひいていたというスケートアメリカ以降、元気のないトマシュ選手ですが、緒戦のエリック杯では4回転も決めて素晴らしい演技でしたし、ヨーロッパ選手権では少し調子を戻してきているように見えました。何より4回転2発に3回転半2発という、超難易度のジャンプ構成に挑んでいて、かつ成功できる力が(きっと)ある選手。ぜひ東京世界選手権のような鳥肌の立つ演技が見てみたい。FSの「ゴッドファーザー」、あのストレートラインの旋律を最高の状態で聴きながら、感動で涙を流したい。そんなファンの期待にも、彼なら応えてくれそうに思えてなりません。

ジョニー・ウィアー(アメリカ・25歳)
よかった、出場できて…。アメリカの代表選考はジョニーにとって相当厳しいものになると思っていたので、何とか3位に踏みとどまってくれてほっとしました。前回は全米チャンピオンとして国の期待を背負って出場したジョニーでしたが、今回は3番手で臨めるので少しは気が楽かな?フリップのエッジエラーなどでSPはノーミスでも点が出にくくなっているのが歯痒いのと、FSは4回転回避しても完璧に決められないのが気がかりですが、結果よりもジョニーの世界を存分に表現してほしい。特にSPの「I love you,I hate you」は、個人的には大好きなプログラムです。一時期「強いジョニー」を見せようとプログラムの方向性を変えた時期がありながらも思うような結果が出せず、「やっぱり自分の好きなようにやるのが一番」と言わんばかりに今のきらきらフェミニン路線(…笑。)に戻してきたジョニー。自分を信じて、悔いのないよう、彼らしく踊ってくれれば他に何も望みません。

ケビン・ヴァン・デル・ペレン(ベルギー・27歳)
グランプリシリーズでテロップに「パイレーツ オブ カリビアン」と出たときは、いつのプログラムを引っ張り出したのかとぎょっとしましたが、全く違うプログラムだったのでほっとしました。でもベルトの部分をきらきらであしらったつなぎの衣装は相変わらず…好きなのね、そうなのね。4回転や3連続3回転など持ち味がたくさんある選手。今シーズンは苦労してる印象だけど、がんばってほしい。

posted by: さきんこ | フィギュアスケート | 23:27 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
ジェレミー・アボット選手SP 「A Day in the Life」 @NHK Trophy


Name:Jeremy Abbott (United States of America)
Age:24
Coach:Yuka Sato
Music:A Day in the Life by the Beatles performed by Jeff Beck
Choreographer:Shae-Lynn Bourne

Total Element Score : 45.40
Program Component Score : 37.60
Total Segment Score : 83.00

こちらも今年大好きなプログラム、「A Day in the Life」。
・・・・・まず言わせてください。

いい曲だーー。
いい振り付けだーー。
いいプログラムだ・・・。

美しい音色に、無理なくすーっと伸びるスケーティングがとてもよく合って、見ていて心地のいい演技。
高度な入り方から、ふわりと跳ぶトリプルアクセル。
と思ったら、突如として現れるサイケデリックな間奏にぞくっとされられた後のトリプルルッツ。
ジャンプが終わると、人が変わったようにコミカルに、ちょっといたずらっぽく踊るサーキュラーステップ。
音楽に合わせているというより、まるで音色に動かされているように、無駄な力を感じさせず滑るストレートラインステップ。
しっかりとスピンを回りきった後で、音楽にぴたっと合わせて決める最後のポーズ。

もともとの音楽が素晴らしいのもあると思うけど、彼の表現は秀逸。アボットらしい正統派を感じさせるスケーティングはそのままに、曲に合わせてほどよくラフに踊る2分50秒。この曲は彼にしかできないんじゃないかと思わせるような、大好きなプログラムです。

要素の分析は、GPシリーズで一番いい点数だったNHK杯の演技で。
83.00も高得点ですが、ファイナルやユーロの傾向を見ると、ノーミスで滑れば今後は80点台後半が出そうですね。

ところで、後日GPファイナル公式練習で彼を間近で見る機会があったのですが、TVとのギャップが一番大きかったのは彼でした。背高いし顔小さいし、特に腰回りのスタイル抜群!ジョニーはまるで女性のようにくびれていて(笑)、ライサチェクは男性らしいがちっとした感じなのですが、アボットはその間をとったようなバランスのいいウェストラインでした。今年はNHK杯でも見たのですが、そのときは試合の衣装だったので(言い訳)。黒のぴたっとした練習着の姿を見て「うわー、かっこいい!」と大興奮しちゃいました^^

※ここからは個人的にルール・技の勉強をするために、各要素で何をやっているのか書き出してみたものです。知識が浅いので、間違いだらけだと思われますので、もしご覧になってくださる方はその前提で。そして正しい答えがわかる方、ぜひ教えていただけると幸いです。

1 3F+3T (BV:9.50、GOE:1.20)
降りた後もすっと流れる美しいジャンプで。GOE+2を出しているジャッジもいます。


2 3A(BV:8.20、GOE:1.40)
通常のモホーク→アクセルの前に、LBI→LFI→LBIとスリーターンをして滑ってきて、チェンジエッジをするという工夫された入り方のトリプルアクセル。
ずっと片足で、しかもターンを入れてから跳ぶという難しい入り方ですね。
こんなリスキーなことして失敗したら・・・と見る側はハラハラしますが、
4回転を跳ぶ力はありながらショートでは入れていない中で、プライドがあったりするのでしょうか。だとしたら脱帽ですが。。
そんな不安はよそに、何とも軽やかに美しく跳んで、9人のジャッジ全員から加点をもらいました(因みにコンビネーションジャンプも全員が加点)。
そして降りてからも、ただちにスリーターン(手をあげながら)。

3 CSSp4(BV:3.00、GOE:0.50)
足換えのシットスピン。要件は4つなので、どこか1つ認定されないとレベルが下がる構成かと思いますが、よくコントロールされてましたね。

♯パンケーキ(シットの難しいバリエーション同じポジションで8回転
♯足換え
♯ブロークンレッグスピン(シットの難しいバリエーション
チェンジエッジ
♯シットの基本姿勢

4 3Lz(BV:6.00、GOE:0.60)
短いショートプログラムの中で数あるハイライトの1つ。
どこか不穏で不安にさせるような旋律が最高潮になったところで跳ぶトリプルルッツ。
wikipediaにジョンが「ゼロから始めて、世界の終わりのような音を出したい」と言ったとありましたがここのことですよね・・?
例によってステップの部分がわかりません。。
要勉強・・。

5 CiSt3(BV:3.30、GOE:0.60)
ステップです。ここが一番間違い多数だと思います、ごめんなさい。。
正しい答えがわかる方、ご指摘をお願いします。。

ただ、本田武史氏が言っていたようにステップの1歩1歩がよく伸びるのはわかりました。どのエッジに乗っているかこの私にすら判別しやすいのが、明確で深いエッジワークの証拠かも。アボットのステップを見ると、残念ながらテン君はまだ発展途上なのがよくわかっちゃうなー。8歳も違いますし当然ですけどね。あと足が長いから1歩の幅が大きい!これはアドバンテージ高いですね。
ところでレベル3ということは、ステップ(トウステップ、シャッセ、モホーク、チョクトー、チェンジエッジ、クロスロール)が少なくとものべ4つ入っているはずなのだと思うのですが、一体どこに。。まだ片足のターンしか理解できないようです。。

左足右足
BI
BO
BO 左回りに方向転換
FI hop
FI 左回り,ロッカー
BI
BO flat?
BI
? BI
BO
BI
BI 右回り,カウンター
FI 左回り,スリー
BO 右回り,ブラケット
toe hop,ジャッジの前でポーズ
FO 右回り,ブラケット?
BI
BO 左回り,スリー
FI 左回り,半回転ループ??
BO hop,右回り
BI
BI FI
FO
FI 右回り,ツイズル1.5回転
BO 右回りに方向転換
toe 右回りに方向転換
BO BI
BI 右回り,ロッカー
FI チェンジエッジ (両手を横に広げて前傾姿勢ですいーっと滑る部分。)
FO hop
toe 走る部分。
FI
FO 〃 一歩が大きい!
FO 左回り,ロッカー
BO
toe hop,左回りに方向転換
toe
FI 右回り,ロッカー?ブラケット??
BI
BO 右回り,スリー
FI 右回りに方向転換
BI 左回りに方向転換
FO
FI
FO FI 左回りに方向転換
BI FI 左回りに方向転換
FO FI
BI FI


6 CCoSp3(BV:3.00、GOE:0.70)
チェンジエッジは「同じ基本姿勢で2回転ずつ以上」だそうなので、たぶんシットからアップライトに変化すると同時にチェンジエッジして前向きに回る部分が回転不足?スコアを見てみたらコンビネーションスピンでレベル4を取れたのは小塚君とボーン・チピア選手だけでした。

♯キャメルの基本姿勢  ※前向きに回っています
♯チェンジエッジ
♯パンケーキ(シットスピンの難しいバリエーション同じポジションで8回転
♯足換え
♯ブロークンレッグスピン(シットの難しいバリエーション
チェンジエッジ
♯アップライト
♯チェンジエッジ
♯アップライト

7 SlSt3(BV:3.30、GOE:0.50)
ここも一応書くだけ書いてみます。。印象としてはやはり一歩が滑るのと、片足で滑るところが目立ち、しかも連続ターンをスムーズにしているなーという感じ。

FI
FI 左回り,ロッカー?
BI
BO BI 右回りに方向転換
FI toe
FI 右回り,ツイズル1回転
FI
FO
BO?
FI
FI 左回り,ループ
FI 左回りに方向転換
BI FI
FO
FI
FI FO
FO 右回り,ロッカー
BO
BO
FI
FO
toe hop
FO
FI 右回り,ロッカー
BO 左回り,カウンター
FO 左回り,スリー (ロッカーからここまでずっと片足でスムーズ)
BI 左回り,ツイズル2回転
BI
BO 右回り,カウンター
FO 右回り,スリー
BI 右回り,ループ
BI
BI BI 左回りに方向転換
FO FI?
FO 左回り,スリー
BI
BO 左回り,スリー
FI
FO FI?
FO 左回り,ロッカー
BO
BI 右回り,ロッカー
FI 右回り,スリー
BI
FO 左回り,スリー


8 FSSp4(BV:3.00、GOE:0.60)
ラストのスピン。しっかりと要件を満たして回転をしながら、ラストのポーズもばっちり音楽に合わせました。素晴らしい!!

デスドロップ
♯ブロークンレッグスピン(シットの難しいバリエーション
チェンジエッジ
♯シットの基本姿勢
♯チェンジエッジ
♯キャノンボール(シットの難しいバリエーション

 
posted by: さきんこ | - | 14:16 | comments(1) | trackbacks(0) | - | - |