読みました。イエメン戦には目もくれず。
感想は…
世界選手権で優勝したときのインタビューで飛び出した
「あっ、2年後にはトリノで五輪があるんですね」発言や、
トリノ五輪について「メダルは関係なく、自分が満足のいく演技をしたかった」
と語っている様子から、何となく“無欲”なイメージのあった荒川選手。
村主選手から感じられるような
「精一杯努力して、一番いい結果をだしたい、メダルも獲りたい!」
っていう気合いみなぎる感じがないなーと勝手に思っていました。
(村主選手がそんなこと思ってるかどうかわかりませんが…)
で、このエッセーを読んで…
荒川選手は“気合いみなぎる人だ!”と感じました。
・オリンピックに出るため、GPファイナル出場は「マスト」だと思っていたこと
・浅田真央選手を見て「自分に足りないものは何か」を考え、
それを補うためにコーチを変えたこと
・五輪前、「幻想即興曲」はインパクトに欠けると考え、
「トゥーランドット」に変えたこと
・試合中の集中力を高めるために、毎試合工夫をしていること
・GPシリーズで「点の取りこぼしをしたら勝てない!」と学んで全日本までに修正し、
全日本で「欲を出して余計なことを考えるとミスをする」と学び、
五輪では1つ1つのエレメンツに集中したこと
(順不同)
…こんなこと、気合いがなかったらできない。
すごいアスリート根性。
すごいプロ意識。
すごい意思の強さ。
すごい向上心。
そして、まだまだ、まだまだ頑張らなくては、という謙虚さ。
すごいなぁ。。
「自分の満足できる演技ができればいい、結果は関係ない」
と言えるのは、
「この程度でいいや」
と思っているからではなくて、
「
長い期間、精一杯努力して自分を高め、維持し続けることは
(4分間の演技だけを評価する、ときにまぐれの要素もある)結果を出すより
難しいことだから、その努力に見合う演技が出来ることはメダルよりも尊い」
ということなのかな、と思いました。
あと、五輪フリーの青+水色の衣装は、ここ2大会の優勝者の衣装が
青(タラ・リピンスキー)、水色(サラ・ヒューズ)だったので、
青系の衣装がいいというモロゾフのアドバイスによるものだった
とか。
トリノ前の合宿で痛めた踵を保護するために、
ブライアン・ジュベール選手のパッドを借りた(モロゾフ経由で)
とか。
色んなエピソードが満載で、おもしろかったな。
最後のほうにあった、「自分のためでありながら、実はそうでなかったスケート」
という言葉もよかったです。
やっぱり世界の頂点にたつアスリートの言葉は重いです。
あのクールな印象とは裏腹に、
日記の語尾は「(^o^)/」とか顔文字連発でびっくりしますけど、
よく考えたら私と同い年(!)だし、
落ち込んだ気持ちの日記公開してもしょうがないー
という前向きな考えの表れなのかな、ともこれを読んで思いました。
いい一冊でした。